週刊あんこ

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恐怖の「東京ぜんざい」

 

「地球最後の日」をどのように迎えたいか?

 

SFみたいな話だが、誰しも一度は考えたことがあると思う。

 

あんこ好き、いや私にとって、答えは決まっている。

 

「白ワインを飲みながら、あんこの海にぷかぷか浮いていたい」

 

その甘すぎる妄想を形にしたのが、東京・神保町にある「大丸やき茶房」のぜんざい、である。バカみたいな夢、と言い換えた方がいい気もするが。

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昭和23年(1948年)創業の老舗甘味屋。今川焼きのような、カステラ生地の「大丸やき」が知られているが、ここの「ぜんざい」(税込み600円)がすごい。いや、すごい、という言葉を超えていると思う。

 

漆塗りの器の蓋を取った瞬間、おおお、と声が出かかる。最初に出会った時、あんこ歴ン十年の私でさえ、驚いた。

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つぶあんの海! それも砂糖のテカりで夜の海のように輝いていた。月明かりの海。表面張力の闇黒の海。汁けがまるで窺えない。あまりに濃厚なこってり感。

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その下には手焼きの餅が3個も潜んでいる。志しを感じるぜんざい。

 

お汁粉とぜんざいは、関東と関西では少々違う。基本的に、関西はこしあんをお汁粉、つぶあんをぜんざいと呼んでいるが、関東では汁けのあるものをお汁粉、ないものをぜんざいと呼んでいる。

 

「大丸やき茶房」のぜんざいは、まさしく関東、それも東京のぜんざい。すごいのは江戸から続く明治時代の製法を踏襲していること。

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ひと口で、その甘さに驚いた。ややオーバーに言うと、さすがの甘党でも恐怖を感じるほどの甘さと量。

 

使用している小豆は北海道産えりも小豆。それを銅鍋ではなく釜炊きで、炊き上げた小豆を万力で搾り、水分を下の木桶に落とす。

 

そうして出来上がった生あんに砂糖を加え、昔ながらのえんま棒で混ぜながら、約3時間もかけてじっくりと練り上げていく。

 

砂糖の量は「同割りで、1対1です。つまり生あん1キロに対して砂糖1キロです」(三代目)。

 

水分をすっかり落とした小豆と同量の砂糖。塩の気配がなく、そのためか甘さがワンダーである。出来上がったあんこは一晩寝かす。

 

正真正銘の江戸⇒東京と続いたぜんざいがここにある。

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食べ終えると、少しだけ頭がクラクラしてきた。箸休めの練り梅がなかったら、どうなっていたことかと思うほど。

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それでも、ここのぜんざいは究極だと思う。3日ほどあんこから離れていたくなったが、しばらくすると、また行きたくなった。それほど衝撃的なぜんざいであるのは間違いない。

 

所在地 東京・神田神保町2-9

最寄駅 東京メトロ神保町駅

 

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