週刊あんこ

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神楽坂の絶妙「餡豆かん」

 

あんこ好きにとって、東京・神楽坂の甘味処「紀の善(きのぜん)」は欠かせない店の一つ。

 

甘味屋としての創業は1948年(昭和23年)だが、明治維新後に寿司屋として創業している。幕末には口入れ稼業(今でいうと人材派遣業)をしていたらしい。

 

神楽坂は元々が花街で、ピーク時ほどではないものの、神楽坂芸者は現在も活躍している。夕暮れ時などにぶら歩きすると、京都の花街のような風情が何とも言えない影絵の世界を作る。

 

今では観光地としても人気スポットの一つ。外国人観光客の姿もよく見かける。

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「紀の善」の一番人気が「抹茶ババロア」で、自家製粒あんと生クリームとのコラボが素晴らしい。高価な丹波大納言小豆を使っているというのも、粒あんに賭けるこの店のこだわりが見て取れる。

 

だが、今回取り上げるのは、「餡(あん)豆かん」(税込み874円)である。

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こちらのあんこはこしあん。自家製の赤えんどうの上にどっかと乗っているこしあんは北海道十勝産小豆を使用、色は濃厚な粒あんとはまるで違っていて、藤紫色に近い。

 

口に運んだ途端、きれいでさらりとした食感。甘さも控えめで、風味もさわやか。

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粒あんほどではないが、こちらの完成度も高い。何よりその下に広がる赤えんどう豆と寒天がいい。きりっとした寒天は伊豆七島テングサ、赤えんどう豆はおそらく北海道産のものを丹念に炊き上げている。

 

黒蜜をかけて食べると、赤えんどう豆がとてもいい。固めだが、中はほどよくふっくらとしていて柔らかい。

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こしあんは中心に位置していながら、脇役に徹しているよう。全体的に絶妙なハーモニーだと思う。

 

だが、こと豆かんに関しては、浅草の「梅むら」の方が一枚上手と思う。黒光りした、まるで黒真珠のような赤えんどう豆で、見た目も味わいもおそらく日本一だと思う。

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3年ほど前、「梅むら」で豆かんてん(こちらではこう呼んでいる)を食べていた時に、たまたま隣に座っていたスイーツ紳士と雑談となり、「あなた、神楽坂の『紀の善』の豆かんも食べたらよろしい」と言われた。

 

それが頭にあったので、今回は「餡豆かん」を賞味した、というわけ。

 

どちらも高いレベルの豆かんには違いない。

 

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ただ一つだけ「紀の善」にお願いしたいのは、こしあんと粒あんを選択できるようにしてほしいこと。

 

昼間の行列は仕方がないにしても、あんこ好きにとっては、これは重大問題なのである。

 

所在地 東京・新宿区神楽坂1-12

最寄駅 JR飯田橋駅東京メトロ飯田橋駅

 

 

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