週刊あんこ

和スイーツの情報発信。あんこ界のコロンブスだって?

レアな草餅&桜餅😎郡山の奇跡

 

あんこ旅を続けていると、思わぬ「奇跡」に出会うことがある。

 

みちのく安積(あさか)=現福島・郡山市で明治32年(1899年)から暖簾を下げている百年越え老舗「安積野菓子処 平田屋」は、私にとっては、そんな金星の和菓子屋さん。

正直に言うと、郡山は東北の中都市なのに、私にとっては「あんこ不毛地帯(失礼)だった(結果的には目利き失格と自戒を込めて)。

 

ところが、柏屋本店(薄皮饅頭で有名)のついでに、軽い気持ちで立ち寄ったこの小さめの店がすごい店だった。

郡山恐るべし、私の中で意識が変わってしまった。

 

京都や金沢にいるような、錯覚を起こしてしまうほど瀟洒な店構え。白地の暖簾。

 

店内に一歩足を踏み入れたら、そこは上生菓子屋のようでもあり、朝生菓子屋のようでもあり、リーズナブルな生菓子がきらきらと並べられていた。

 

これはひょっとして大当たりか?

 

★ゲットしたキラ星

 元祖ゆべし(あん入り)80円

 草餅(つぶあん)  120円

 さくら餅(季節限定)140円

 道明寺(季節限定) 140円

 きんつば      100円

  ※すべて税込み価格です。

 

【センターは?】

草餅:表面にきな粉中はつぶあん

 

正直に言うと、すべてが上質で、しかもあまりにリーズナブル。

 

なので、どれをセンターに持ってきてもきちんと説明できる。

 

とはいえ、季節感と表面にきな粉をまぶしている草餅はそう多くはない。

なので、今回はこれをセンターに持ってきた。

 

ごらんの通りのお姿。添加物を使用していない、この店のこだわりにあんこハートがピコピコ。

 

サイズは約60ミリ×55ミリ。楕円形で、重さは65グラムほど。

 

〈実食タイム〉

よもぎ餅の柔らかな伸びときな粉の香ばしさ。

それに噛んだ瞬間、よもぎの爽やかな風味が一波二波となって押し寄せてくる。

 

中の自家製つぶあん北海道産小豆×白ザラメ。素材のこだわりがわかる。

風味、コク、余韻・・・すべてAクラスだと思う。120円が信じられない。

 

ゆるめのあんこだが、それがあずきの上質な世界につながっている。

誠実に甘さを抑えているのがよくわかった。

 

仕事中でお会いできなかったが、店主の腕と志に触れた思い。

 

●あんヒストリー 

「平田屋」は現在5代目。創業時は分家だったが、本家が廃業したことによって暖簾を受け継いでいるようだ。5代目は大阪で修業後、パリやスペインなど海外にも見聞を広め、和菓子職人としての立ち位置を模索している。並みの御曹司とはひと味違う和菓子の小世界を切り開きつつあると思う。「元祖ゆべし」は明治の初代と二代目が考案したようで(諸説ある)、今や東北の名品となっている。隠れた歴史がおもしろい。

 

【サイドは?】

さくら餅&道明寺:江戸・京都の食べ比べ

 

季節の和菓子で、さくら餅(こしあん=㊧)と道明寺(こしあん=㊨)をいただく。

一つの店で上質な季節の生菓子を同時に味わう機会はそう多くはない。

 

日持ちしないので、その日のうちに味わった。

こしあんも自家製。

 

個人的な好みを言うとさくら餅の方が塩漬け桜葉の香りが薄い小麦粉の餅にしっかり付いていて、こしあんの美味さを押し上げている印象。

東京の名店に引けを取らない、価格を考えると、むしろ超えているのでは、と思う。

 

道明寺は糯米のもちもち感が十分にあり、なめらかなこしあんと共鳴している。

 

桜葉の香りも悪くない。

 

さくら餅=すっきり、道明寺=もっちり。

 

好みが別れるのは仕方がない。

 

元祖ゆべし:意外だったが、これは創業当時からのもの。もっちりとした歯触りと醤油の香り、それになめらかな自家製こしあん

「元祖」と控えめに名乗っているのが奥ゆかしい。

 

1個80円というのも「うっそー」と言いたくなる。

 

黒糖の香りとケシの実の香りがかすかに来る。

 

きんつば小ぶりだが、つぶあんと寒天のバランスが素晴らしい。

あずきの形はしっかりあるのに柔らかい。

 

つぶあんのふくよかな風味がすぐに広がる。

浅草「徳太楼」のきんつばが私の好みだが、ここにもほとんど同レベルのきんつばが存在していること。

 

あんこの世界は広くて深い。

 

だから、あんこ旅は止められないな。

 

「平田屋」清水台本店

所在地 福島・郡山市清水台2-6-6

最寄り駅 JR郡山駅から歩約10分。

 

          

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

薪で餡づくり😎4代目が守る和菓子

 

江戸時代中期から上質な「白味醂(しろみりん)」の産地として江戸・大坂・京都にまで名をはせた千葉・流山で、すごい和菓子屋さんに出会った。

 

タイムスリップしたような、木造の建物。

旧流山街道沿い、すぐ裏手(西側)には江戸川が流れ、この地がかつては水運の町としてにぎわった町だとわかる。

 

今は往年のにぎわいはない。

 

幕末、新選組隊長・近藤勇が本陣を敷いた場所でもある。

 

知る人ぞ知る「清水屋本店」。明治35年(1902年)創業。その屋号とセピア色の店構え、それに春風にはためく幟(のぼり)が、今もこの店が現役であることを知らせている。

「いい店、見っけ!」の気分。

 

少し気圧されたが、ピコピコハートのまま店内に入ると、驚きはさらに広がった。

年季の入った木枠のガラス棚に並べられた生菓子と半生菓子、それに焼き菓子類など。

 

古くからの菓子型がさり気なく置かれていて、どこか古都の老舗を思わせる、いぶし銀のオーラが見えた。

★ゲットしたキラ星

 ・さくら餅(季節限定) 200円

 ・旧街道(つぶあん)  189円

 ・赤城山こしあん)  178円

 ・陣屋もなか(大納言) 235円 

 ・陣屋もなか(栗入り) 235円

  ※すべて税込みです。

 

【センターは?】

二つの焼き菓子:旧街道&赤城山

 

季節限定のさくら餅のなめらかなこしあんと塩漬け桜葉、手焼きの薄い皮にもあんこころが持っていかれたが、4月後半からは柏餅になるので、今回は2種類の半生焼き菓子をセンターにした。

旧街道 菓銘も姿も京都の老舗の焼き菓子のようで、サイズは直径50ミリほど。重さは約30グラム。

表面の濃厚なテカリがすごい。卵黄と流山特産の白味醂(しろみりん)を使っていて、中央にはクルミがちょこんと埋まっている。クルミのへそ?

中は大納言小豆。手で焼いているのがわかる、ザクっとした歯ざわり。

 

焼き菓子の風味が口の中で絡み合い、しばらくすると溶けていく。

 

上質の焼き菓子。

 

赤城山 山の形の半生焼き菓子で、旧街道よりもしっとりしている。

中はこしあん。黒糖を使っていて、塩気が絶妙に全体を仕上げている。

サイズは旧街道よりも少し大きく、約40ミリ×40ミリ。重さは32グラムほど。

黒糖入りの皮の香ばしさとしっとり感がこしあんとマッチしていて、口どけもとてもいい。これは特に気に入った。

 

●あんポイント

代々続く和菓子づくりのベース「あんこ」について。

今も薪(まき)であんこを炊いてるんですよ。薪を使って餡づくりしている店は少ないと思います」(5代目女将さん)

小豆は北海道産、砂糖は主に上白糖。銅鍋と木べらでじっくりと煮詰めているという。こだわり方が希少だと思う。

 

【サイドは?】

陣屋もなか2種類:大納言と栗入り

 

大納言 大きさは高さ約72ミリ×屋根幅55ミリ。重さは約54グラム。蔵の形の最中で、サクッとした皮種は香ばしく、中はふっくらと炊かれた甘めの大納言粒あん。上質な最中だと思う。

栗入り こちらはややねっとりとしたこしあん。つぶ栗が入っていて、甘めのこしあんとのマッチングはやはり上質。ほんのり塩気がいいアクセントになっている。

「清水屋本店」

所在地 千葉・流山市流山2-26

最寄り駅 流鉄流山線流山駅から歩約5分

 

           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こし餡の塊り⁉️😎巨大なあんこ菓子と遭遇

 

新潟へのあんこ旅で最も驚かされたのがこの一品。本日は日曜増刊号。

 

どうだろう? この大きさ、ド迫力、存在感。

表面を粉砂糖が覆い、「昔から新発田ではお目出たいときなどに和菓子屋さんに注文して、家族みんなで食べてましたよ。でも今はつくる店が少なくなってね」(地元の和菓子通)というもの。

 

アプローチ:街中での取材で、城下町・新発田が全国的には知られざる和菓子王国であることを確認、市内には歴史のある和菓子屋さんが多く、いぶし銀の隠れた名店や和菓子職人を探すという私のポリシーからあれこれ取材を続けた。

 

たまたま和菓子好きのご婦人の口から「あっ、そうそう」とポロリと出たのが百年は続く老舗「御菓子 宮澤屋」の名前だった。

 

ハズレてもともとの軽い気持ちで、小雨の中を急いだ。

 

びっくり。木造の古い店構え。ガラス時の引き戸。大正時代にでもタイムスリップした気分になった。

時が止まったような、手書きの品札がガラスにぺたんと貼ってある。

店内は暗めだが、私のあんこセンサーがぐいぐい反応するのがわかった。

 

★ゲットしたキラ星

 千歳(ちとせ)1個570円

 羊羹(本煉り)1本460円

   (白煉り)1本460円

 きなこ捻り  1袋400円

  ※すべて税込みです。

 

千歳(ちとせ):直径約80ミリ、重量は約205グラム。

 

これだけデカいあんこ菓子はそうはないと思う。

 

紅白2種類。木枠のガラスケースにどっしりと納まっていた。

形は丸いが、よく見ると饅頭とも違うし、大福とも違う。

 

私の中でも初めて見るお姿

 

菓銘の「千歳(ちとせ)」は約2年前、金沢の老舗「森八」と同じだが、中身は全く違うものとしか言いようがない。大きさがまるで違う。

syukan-anko.hatenablog.jp

 

驚きはそのほかの手づくりの和菓子類。目が泳いだ。

煉り羊羹や水ようかん、飾り生菓子まである。

 

紅白2種類買いたかったが、予算と日持ちの関係で、「白」だけにした。

 

●実食タイム

自宅に帰ってから、いよいよ実食。

表面を覆う粉砂糖(生らくがん状)を包丁で切ると、見事な自家製こしあんが現れた。

濃厚な赤紫色の美しいこしあんがぎっしり。

 

よく見ると、こしあんの表面を薄い半透明の薄い膜(求肥?)が覆っている。

シンプルだが、かなり凝ったもので、店主の和菓子職人としての腕がただ者ではないことが見て取れた。

 

「もう年だから昔ほどはつくれなくなった。昔はもっといっぱい作ってましたよ

 

そう話していたことが耳に残っている。

 

あまりにデカいので、木のフォークでさらに切り分ける。

最初はザクっとした歯触り。粉砂糖の入り口。

 

続いて、こしあんのしっとりとした密度が口の中でピュアに溶けていく。

 

いい小豆の風味が広がる。これはすごいね。

甘すぎない、絶妙な甘さのあんこ。塩気がほんのり。

 

私にとっては隠れた名人に出会った気分。

 

素材は地場のものにこだわっていますよ。毎日赤鍋であんこを煮てる」

 

そうおっしゃっていたことが、このあんこ菓子の美味さで裏付けられた。

 

とにかくすごいものに出会った、と味わいを噛みしめる。

 

煉り羊羹(本煉りと白煉りコスパのスゴさ。

サイズは110ミリ×45ミリ。厚みは約30ミリ。重量は206グラム。

 

あずきも白いんげんも地場の素材を使っているようだ。

柔らかな生羊羹と表現したくなる歯ざわり舌触りで、こちらも甘すぎない。

質の高さと低めの価格が私の中でかみ合わない。コスパの良さ。

 

煉り羊羹の煉り方が素晴らしい。

どちらも同じくらい素材の風味をギリギリまで生かしていると思う。

 

本煉りと白煉りが風味豊かに広がる。幸せホルモンがじわり。

 

新発田でかような店に出会えるとは。

 

おまけ:きなこの捻りのあまりに素朴な質。

地場の大豆からきな粉をつくり、それに水飴を加えていると聞いて、驚きは広がった。

 

すべて自分の目で選び、自分の手でつくる、というのが職人気質と思う。

糖蜜の白さときな粉棒の素朴な手づくり感。やさしい、柔らかな味わい。控えめな甘さが店主のポリシーを体現している。

 

●あんヒストリー

古文書が焼失したので創業が正確には不明だが、「百年以上は経っている」とか。ご高齢の店主は3代目。腰痛で「昔みたいにはつくれない」と謙遜するが、上菓子から駄菓子まで自分の手でつくり続けているのはやっぱりすごい。立派な和菓子職人が旧城下町の一角にいること。そのお姿があんこの神様に思えてきた。

 

「御菓子 宮澤屋」

所在地 新潟・新発田市中央町3-6-14

 

            



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

越後長岡の宝石🤩いちご餅&淡小倉

 

越後長岡の老舗「越乃雪本舗 大和屋」(やまとや)といえば、和菓子の世界では知られた存在。

 

現在10代目。長岡藩主・牧野の殿様が「天下に比類なき銘菓」と絶賛した上菓子「越乃雪」が有名だが、伝統をきちんと守りつつネオ和菓子にも挑戦する姿勢がとってもクールでもある。

軸足は京都と長岡をクロスさせた上菓子屋さんだと思うが、敷居は高ビーではない。

 

で、今回賞味したのはその中の数点(全部食べたいところだが)。

去年リニューアルした商家造りのレトロな建物(登録有形文化財)の長暖簾をくぐると、木枠の渋いサンプル棚があり、その向こうに江戸時代さながらの帳場がさり気なくある。

 

時代劇のセットのようでもある。あんこころがよろめく。

 

★今回ゲットしたキラ星

 季節限定「いちご餅」 497円

 淡小倉(大納言) 1本891円

 山之端(上生菓子) 356円

 瑞穂最中  162円

 ※すべて税込み価格です。

 

【センターは?】

 卵形のたおやかな「いちご大福」に脱帽

 

どれをセンターに持ってきたらいいか、大いに悩んでしまった。

 

味わった4種類とも見事なこだわりの一品で、この店のチーフ和菓子職人が京都の老舗で修業してきたことがわかる。

 

姿は見えないが、指先の動きが見えるよう。

 

個人的な好みで言えば、「淡小倉」(大納言を散らした淡い練り羊羹)が特に気に入ったが、春という季節を考えると、きれいな卵大の大きさのこの「いちご餅」をセンターに置くことにした。

 

コロンブスの卵のように目立つ位置に置いてあった。

 

大きめの卵形が美しい。

 

うっすらとかかった餅粉が春の雪にも見える。

 

この形のいちご大福ってあまりないのでは、と思う。

よく見ると、頂上にうっすらといちごの赤が潜んでいる。

 

ぴこぴこ、ときめき。

 

〈さあ実食タイム〉

日持ちしないので、まずはこれと上生菓子だけをホテルで味わうことにした。

 

餅は羽二重餅で、手に持っただけで柔らかさが伝わって来た。

 

細心の注意で小型包丁で切ると、中から白あんに包まれた、見るからに鮮度のいいいちごを中心にして計3層の断面が現れた。

いちごは「弥生姫(やよいひめ)」で、羽二重餅と自家製白あんとのバランスが素晴らしい。

 

弥生姫自体が甘みとほのかな酸味が特徴。主役としての存在感を十分以上に押し出している。

白あんの、甘すぎないしっとりとした舌触り。ほどよいボリューム。自然な風味が春の土壌のようでさえある。

プラスアルファ。練乳も隠し味に加えているようだ。

 

羽二重餅が全体を包み込み、噛むたびに、三位一体となって口の中で春風になる。

 

「これはワンランク上のいちご大福だな」とポロリと言葉が漏れてしまった。

 

【セカンドは?】

淡小倉:夜の梅より淡い、上品な小豆羊羹

 

1本の大きさは100ミリ×50ミリ。厚みは約33ミリ。重さは約230グラム。

明るい小豆色の本体。なまめかしいテカリ

包丁で切ると、大納言小豆がいい具合に夜の梅みたいにポツリポツリと咲いている。

 

歯触りが柔らかい。

大納言小豆のいい風味が立ちあがってくる。

 

上質な、茶席にも使いたくなる小豆羊羹。

 

余分なものがない。

これだけの小豆羊羹はそうはない、と思う。

 

穏やかでやさしい甘さが、舌の上でふくよかに広がっていく。

 

余韻もきれい。

 

山之端:桜羊羹とよもぎの浮島二層仕立て

 

これはひと目で気に入ってしまった。

上生菓子の伝統を引き継ぐ一品。

 

桜羊羹とよもぎの風味が口の中でとろけ合う。

控えめで上品な甘さ。

 

茶会でも重宝されていると思う。

 

浮島(しぐれかも)の野性的な舌触りが、桜羊羹のねっとりと、いいマリアージュに昇華しているようで、これは抹茶で味わいたい。

 

瑞穂最中:つぶあんがぎっしりと詰まった、大きめの円形最中。購入して5日後に食べたのとバッグの中に入れて運んだためか、皮種はホロと崩れそうになっていたが、それを差っ引いても、私の好きな濃厚な最中だと思う。

つぶあんはかなり甘めで、北海道産小豆の風味が怒涛のように押し寄せて来る。

 

水飴と寒天のつなぎがとてもいい。

 

●あんヒストリー

創業は安永7年(1778年)。初代は長岡藩御用達の金物商だったようだ。9代目の藩主が病に侵されたとき、依頼を受け、今もこの店の目玉でもある「越乃雪」(越後産寒ざらし粉×和三盆の押し菓子)をつくり、献上したところ体力を回復し、「天下に比類なき銘菓」と褒められ、藩主のお墨付きを得て、和菓子屋も始めたという。現在10代目だが、9代目女将さんもご健在で、帳場にも立つ。ファミリーで伝統と創作の世界に挑んでいる。

 

「越乃雪本舗 大和屋」

所在地 新潟・長岡市柳原町3-3

 

            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お化けあんだんご⁉️🤩三度目の後藤だんご屋

 

これまで2回行って、アンラッキーだった。本日休業と売り切れ。

 

三度目の正直でようやく頂上にたどり着いたよ。

 

なので今回は餡ラッキー

 

成田山参道の老舗甘味処「後藤だんご屋」

創業が弘化2年(1845年)、現在7代目。

 

創業当時からの製法をそのままほとんど受け継いで朝早くからだんごをつくり続けている、と聞いていたので、身を清めてから紺地の暖簾をくぐった。

後光が射してるような、そのお姿をまずは見ていただきたい。

歴史的にも個人的には西の赤福、東の後藤だんご屋と言いたくなるが、あんこの親分度(そんな度数があるとして)ではこちらに軍配。

 

★ゲットしたキラ星

 あんだんご(3個一皿)600円

 やきだんご(一串) 200円

  ※すべて税込み価格です

 

【センターは?】

あんだんご:絶妙こしあん絹のようなしんこ餅

 

一見するとこしあんのおはぎのようで、竹串のだんごではない。

左右4~5センチは優にありそうなデカさ。

 

一皿3個がヘビー級の存在感で、目の前に置かれた実物を見て、しっとりとしたこしあんの厚みとたっぷり感に身も心も持っていかれそうになってしまった。いずこへ?

NYメッツ千賀の「お化けフォーク」をもじって「お化けあんだんご」と表現したくなった(いい意味で、です)。

 

個人的にも想像を超えた出会い。ほとんどパブロフの犬状態(笑)。

 

〈実食タイム〉ほうじ茶のサービスがほっこり。茶店のレトロな雰囲気が私を江戸時代にタイムスリップさせるようだった。

手元の箸で持ち上げようとしたら、すっと切れそうで、素朴なこしあんの厚みと餅(しんこ餅)のあまりの柔らかさに「おおっ」となった。

きれいな伸びにため息が出かかる。

しっとりしたこしあんが甘すぎない。小豆のいい風味がすっくと立ちあがってくるようで、ほんのりにじむ塩気が絶妙。

こしあんは北海道産小豆×白ザラメ。

 

銅鍋で毎日約3時間かけてじっくりと煮込み、漉しているそう。

 

たまたまいらっしゃった6代目女将さんが気さくなお方で、後藤だんご屋の伝承をいろいろと教えてくれた。ここもすごいところ。

しんこ餅は特選うるち米を蒸かし、毎朝臼と杵で搗いてから、さらに手ごねするそう。

 

手間暇を惜しまない。

 

絹のような白さとびっくりするほどの柔らかな伸びはこうして生まれてくる。

 

なので、時間が経つとすぐに固くなってしまう。

6代目女将さんは「本物の証拠ですよ」と、さり気なく胸を張る。

 

朝ナマの本流がここにもしっかりと生きている。

 

セカンド:やきだんご

後藤だんご屋のもう一つの看板がこのやきだんご。

 

甘辛の自家製みたらしがたっぷり、こちらは串だんごで、注文を受けてから焼き始めるので、少し時間がかかるが、待つのも楽しの気分に浸る。

焼き色としんこ餅の柔らかな伸びがやはり秀逸。

 

一串4玉。放射する香ばしさと、たっぷりの甘辛ダレがいい感じ。

6代目女将さんによると、あんだんごよりもこちらの方が早めに売り切れになることも多いそう。

 

あんみつとぜんざいも味わいたかったが、あんだんごのボリュームが予想以上だったので、やきだんごだけを一人前別に包んでもらった。

 

辛口の編集部あん子さんへの手土産。

 

日本には飛び切りのあんこ山脈がいくつかあるが、成田山もその一つだな、と改めて思い知らされた。

「後藤だんご屋」

所在地 千葉・成田市上町499

最寄り駅 JR成田駅から歩約5~7分ほど

 

            

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

超レア「笹まき」に舌を巻く🤩

 

あんこ旅で錦鯉の発祥地としても知られる新潟・小千谷に舞い降りた(うまく着地できたかな?)。

 

さむ~。

 

目的は独特の水羊羹やいちご大福を食べること。

 

創業が江戸時代末期の白木屋(しらきや)」

だが、ここで渋いオーラを放つ珍しいあんこ菓子に出会った。

 

お姿を見ていただきたい。

あんこが少しはみ出ているところが、私の心をくすぐった。

 

濃厚なつぶあん手焼きした薄いカステラ生地で三角形に折りたたんだもの。

 

笹は使っていず、笹状に巻いているところからこの菓銘になっているようだ。

 

5年ほど前、三条市の古い和菓子屋さんでも見かけたことを思い出した。

 

まさかの再会。

 

あんこハートがぴこぴこ動いた。

 

★ゲットしたキラ星

 いちご大福 200円×2

 水ようかん 180円×2

 笹まき   160円×1

  ※すべて税込み価格です

 

【センターは?】

笹まき:どら焼きの親戚?絶妙な合体

 

レア度からこのあんこ菓子をセンターにした。

どら焼きのような生地で自家製つぶあんを巻いている。

 

ほぼ二等辺三角形で、約70ミリ×70ミリ×75ミリ、厚みは約30ミリほど。

 

濃いめの焼き色と香ばしさ。

店主の手焼き、手づくり感が伝わってくる。

 

〈実食タイム〉小麦粉ベースの柔らかな皮はどら焼きよりも薄い。

 

蜂蜜と卵の素朴な香りが来る。

 

手で持って、最初のひと口で、中のあんこの豊かな風味とのマリアージュに軽く驚く。

ふた口め。

 

北海道産小豆の凝縮した風味がどんどん広がる。

うめえ、と言葉が漏れそうになる。

 

よく見ると、こしあんつぶあんブレンドしているようだ。

塩気がほんのり。

 

口の中で混じり合う、その食感がたまらない。

 

いいもの見っけ、の気分。

 

●あんヒストリー

創業が万延元年(1860年)。現在6代目。江戸時代から小千谷縮緬(麻)で江戸や京都とつながっていた歴史が今も生きていることがわかる。店には代々使われていた菓子型(木型)がさり気なく陳列してあり、ここがただの老舗ではないと感じさせる。6代目は千葉市川の高級和菓子店「島村本店」(すでに廃業)で修業、小千谷の実家を継いでいる。和菓子職人としての腕が立っているのがわかる。

 

【サイドは?】

個包装の水ようかん:小豆入りの上質な味わい

細長い水ようかんで、1本のサイズは100ミリ×30ミリ。厚みは約30ミリ。

 

一本一本竹皮模様の蝋引き紙で包まれているのは珍しい。

ふっくら小豆がポツリポツリと浮かんだ、そそられる水ようかんだが、こしあんの気配が濃いと思う(個人的な感想です)。

 

北海道産小豆とグラニュー糖、それに寒天。舌触りのなめらかさ。

素朴で上質な水ようかんだと思う。

 

あっという間に2本が胃袋に消えた。

 

小千谷は名水の地であることを思い出した。

 

いちご大福:小ぶりな、愛らしい逸品

表面にキラキラと餅粉がかかり、白玉粉の柔らかな餅に雪国のイメージが重なる。

 

うっすらと旬のいちごが見える。春の予感を詰め込んでいるよう。

サイズは45ミリほどの球形。

 

中はなめらかな白あん。

口に入れたとたん、とちおとめのみずみずしい甘さと品のいい白あん、柔らかな白玉餅が三位一体で押し寄せてくる。

 

白あんが甘さ控えめで、北海道産白いんげん豆の風味が気持ちいい。

甘みと酸味のバランスがとてもいい。

 

ローカルに生きる和菓子職人のきらりと光る技術。

 

だから、あんこ旅は止められない。

 

白木屋

所在地 新潟・小千谷市本町1-13-26

最寄り駅 JR小千谷駅から歩約10分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日曜増刊号😍真っ黒!驚きのごま大福

 

あんこ旅越後編で「黒い金星」と出会った。

 

まずは見ていただきたい。

表面をびっしりと覆っているのは黒ごまで、香ばしさをより出すために炒っていると聞いて、驚きは広がったが、創業当時(明治23年=1890年)からの作り方をほとんどそのまま引き継いでいると聞いて、驚きはさらに広がった。

 

和菓子の隠れたメッカ、新発田市「和泉屋(いづみや)」の恐るべき一品。

 

人口10万人弱の旧城下町。いい和菓子屋さんが潜んでいる条件が揃っているが、街は閑散としていた。全国的にローカルの和菓子屋さんの苦境が痛い。

 

店の表記は「ごま饅頭」だが、このあたりでは大福を饅頭と呼んでいるので、私の中では「ごま大福」と言わせていただきたい。

 

大きくはない店構え。庶民的な老舗和菓子屋さんで、敷居も低い。

地元でも愛されているのがわかる。

 

私が話を聞いている間も常連さんがポツリポツリとやって来る。

「ごま大福」は東京・神田須田町「庄之助」(ここは白ごま)など、いくつか名店が頭に浮かぶが、明治23年創業当時からつくっているというのは多分ここだけだと思う(間違っていたらごめんなさい)。元祖ごま大福だと思う。

 

見た目も中身もワンダー、としか言いようがない。

 

★ゲットしたキラ星

 ごま饅頭 130円×2個

 餅屋が作ったどら焼き 160円

 福招きねこモナカ 150円

 六方焼き     160円

  ※価格はすべて税込みです。

 

この一品:ごま饅頭(大福)

見た目 サイズは約50ミリ×50ミリ。薄べったい円形。最初にご紹介したように香ばしい黒ごま(摺りごま)がびっしりと全体を覆っていて、「黒く小さな巨人を予感させる。

見事なまでに真っ黒なので、外見からは中がわからない。

 

手で持つと、餅の柔らかさがわかる。

「昔のままの無添加づくりなので、今日中に食べてくださいね」と雰囲気のある女性スタッフ(5代目修業中だった)。

 

実食タイム 宿泊先で賞味することにした。包みを解いた瞬間、黒ごまのいい香りが鼻腔に来た。

 

あんこ脳が「この刺激はなんだ?」と反応した。

 

包丁で切ったら、柔らかくて真っ白い餅としっとりとしたこしあんが現れた。きれいな赤紫色のあんこ。おおっ、と声が出かかる。深み。

この餅とあんこのこだわりがまずすごい。

 

地場の最高級もち米みやこがねを蒸かした杵つき餅。

 

深夜から仕込みに入り、あんこも銅釜でじっくりと煮る。

 

それが味わいにも表れる。

北海道産あずき×上白糖。

 

黒ごまの香ばしさが口の中で立ってくる。炒り加減が絶妙と言いたくなる。

 

餅のピュアな食感とみずみずしさ。

 

こしあんのふくよかな風味が追い打ちをかけるように広がる。

塩気がほんのり。

 

2個しか買わなかったことをちょっぴり後悔したが、悲しいかな胃袋は一つしかない。ここが苦しいところ(できれば胃袋は10個くらいほしいな)。

 

他に上記の和菓子も堪能したが、それは別の機会にご紹介したい。

●あんヒストリー

創業は明治23年(1890年)。もともとは農家だったようだ。初代がごま饅頭を考案し人気を呼び、それが2代目、3代目と受け継がれ、現在4代目。「餅屋が作ったどら焼き」「福招きモナカ」「六方焼き」など和菓子のラインナップも揃っている。

 

「和泉屋」

所在地 新潟・新発田市中央町2-1-17